「休職しなければよかった」と検索してこのページにたどり着いた方は、すでに休職している方か、これから休職するか迷っている方だと思います。
先に結論を書きます。私はうつ病で休職し、その後に復職しましたが、休職したこと自体を後悔したことはありません。
ただし「休職すれば大丈夫」という話ではありません。後悔せずに済んだのには理由が2つあり、どちらも休職を決める前に用意できたものでした。
この記事では、私が後悔しなかった理由と、逆に「やらなければよかった」と感じた2つ、そして「休職したら終わり」「もう戻れない」という不安について厚生労働省の手引きに書かれている事実を整理します。

※本記事には広告(PR)を含みます。紹介する内容は実体験・公開情報に基づきます。
「休職しなければよかった」と思ったことはあるか|私の結論
結論から書くと、私はありませんでした。うつ病で休職し、復職した今から振り返っても同じです。
ただ、休職中ずっと平気だったわけではありません。会社の人は働いているのに自分は自由な時間を過ごしている、という後ろめたさはありました。この感覚については休職中の「何もできない罪悪感」がつらいときにで別途書いています。それでも、休んだこと自体を後悔したことはありません。
後悔せずに済んだのには、はっきりした理由が2つありました。どちらも、休職を決めたあとに頑張って手に入れたものではなく、決める前から手元にあったものです。
理由1:傷病手当金の制度を、休職する前に知っていた
収入が減ること自体は避けられません。ただ私は、休職を決める前に傷病手当金がどういう制度で、いくらくらい・いつから入るのかを把握していました。
「いくら減るか分からない」ではなく「これくらい減る」と分かった状態で決められたことが、いちばん大きかったと思います。
制度の中身は休職中の給料と傷病手当金の受給条件にまとめています。
理由2:貯金があった
貯金があったぶん、状況は人によって違うと思います。それでも、残高が減っていくのは怖かったです。支給決定の通知をまだかまだかとメールボックスで確認していました。
正直に書くと、副業がもっと育っていれば、もっと早く決められたと思います。収入の柱が会社ひとつだと、休職の判断は「お金が止まる」という一点だけで重くなります。
気持ちが切り替わった瞬間
重いプレッシャーの元から、しばらく離れていられると分かった時でした。休職の手続きが終わった時ではなく、その瞬間に力が抜けたのを覚えています。
休職して、変わったこと
やりたい仕事を自分から言うようにしたら、その役割を任せてもらえるようになりました。
休職前の私は「会社に貢献するために何でも頑張る」という姿勢でした。抱え込みすぎたことが、うつ病になった一因だったと思っています。
「休職したら終わり」「もう戻れない」は本当か
「休職しなければよかった」と一緒に検索されている言葉を並べてみると、その多くは後悔そのものではなく、「休職したら終わりなのではないか」「もう元の場所には戻れないのではないか」というこれから起きることへの不安でした。
これについては、私の体験を並べるより先に、制度としてどう決まっているかを確認したほうが早いと思います。
復職には、国が示した5つのステップがある
厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を公開しており、職場復帰は次の5段階で進めることが示されています。
- 第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
- 第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
- 第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
- 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
- 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
ここで見ておきたいのは、復職が「会社がそのときの気分で決めるもの」ではなく、手順として決まっているという点です。第5ステップに復職後のフォローアップまで含まれていることも、休職中はあまり知られていないと思います。
私自身も、ほぼこの順番どおりに復職しました。第2ステップの主治医の判断、第3ステップの産業医面談と生活記録表の提出、という流れです。第3ステップで何を見られるかは復職の生活記録表とは?記入例と2週間の書き方と産業医面談で聞かれることにまとめています。
「まずは元の職場への復帰」が原則とされている
同じ手引きには、復職先について「まずは元の職場への復帰」を原則とする、と書かれています。理由も説明されていて、たとえより好ましく見える異動であっても、新しい環境への適応にはある程度の時間と心理的な負担がかかり、その負担が再発につながる可能性があるためだ、という趣旨です。
ただし手引きは、これをあくまでも原則とも書いています。異動などが発症のきっかけになったケースでは、元の職場ではないほうがよい場合があることも明記されています。
つまり「戻る場所は一律に決まっていて選べない」わけではありません。まず慣れた場所で業務負担を軽くしながら様子を見て、そのうえで配置転換を考える、という順番が想定されている、ということです。
いきなり戻るのではなく、試し出勤という段階がある
手引きには「試し出勤制度」の例として、模擬出勤・通勤訓練・試し出勤の3つが挙げられています。正式な復職決定の前に職場復帰の試みを始められる仕組みで、休業していた本人の不安を和らげる目的だと説明されています。
私が復職前に会社の近くまで電車で行ってみたのは、この分類でいう通勤訓練にあたる行動でした。当時は自己流のつもりでしたが、あとから手引きを読んで、想定されている手順のひとつだったと知りました。
それでも、制度そのものには疑問が残りました
- 回復のスピードは人によって違うのに、期限が一律で決まっていること
- 「見切られるタイミング」を、会社の側が持っていること
- 「まずは元の職場へ」が原則である以上、環境そのものがきっかけだった場合に選択肢が狭くなりやすいこと
責めたいわけではなく、そういう仕組みになっている、という話です。戻る場所は同じでも、戻り方は変えられると今は思っています。
手引きに書かれているのはあくまで「事業場が整えるべき仕組み」で、実際にどこまで運用されているかは会社によって違います。それでも、戻り方には決まった段取りがあると知っているかどうかで、休職中の見え方はかなり変わると思います。
復職前の準備については復職前にやっておきたい3つの準備にもまとめています。
休職を後悔しやすいのはどんなときか|私が「やらなければよかった」と感じた2つ
休職そのものは後悔していませんが、休職中の過ごし方では「やらなければよかった」と感じたことが2つあります。
同じ轍を踏まないよう、共有します。
1. 焦って2週目から復職を考えてしまった
休職2週目、少し体調が戻ると「もう復職できるかも」と思いました。
しかし、これは典型的な早期復職の罠でした。
主治医からも「すぐには復帰させない、しっかり休むように」と伝えられました。
結果として、焦らなかったことで再発を防げていると感じています。
復職タイミングの判断は、公的機関の厚生労働省「こころの耳」の情報も参考になります。
2. 会社の状況を気にしすぎて休めなかった
会社からは休職中の接触禁止通達が出ていました。
しかし、私は「今ごろ誰が引き継いでいるのか」と考え続けてしまいました。
結果として、休職しているのに頭は仕事から離れませんでした。
そのため、最初の頃はほとんど休めていなかったと感じます。
通達は会社が私を守るための仕組みだったと、今ならわかります。
後悔を小さくするために、決める前にできること3つ
ここまでの「後悔しなかった理由2つ」と「やらなければよかった2つ」を裏返すと、休職を決める前後にできることは3つに整理できます。
- お金が「いくら」「いつから」入るかを、決める前に調べる。私が後悔せずに済んだ最大の理由がこれでした。減ること自体は避けられませんが、金額が分かっているかどうかで判断の重さが変わります。
- 復職の手順を、制度として先に知っておく。5つのステップと「まずは元の職場への復帰」の原則を知っていると、「見切られるのでは」という不安の形が変わります。
- 休職中に会社の状況を追いかけない仕組みを作る。意志ではなく仕組みで止めます。私は会社スマホの電源を切って、見えない場所にしまいました。
1つ目については休職中の給料は無給?手取りが何割になるかの実際で、条件と金額の目安をまとめています。
休職初期の過ごし方|してよかったこと5つ
まず、休職初期の過ごし方で正解だったことを、体験ベースで5つ紹介します。
どれも休職1〜2週目に始めたものです。
1. 主治医と産業医に「本音」を正直に話した
休職初期、私はつい「大丈夫です」と言いがちでした。
しかし、無理に取り繕うと診断書の内容も軽くなりがちです。
結果として、必要な休職期間が短く設定されてしまいます。
そのため、私は2回目の通院から「眠れない」「食欲がない」と具体的に伝えるようにしました。
たとえば、産業医面談では「業務の何が辛かったか」を時系列で話すと伝わりやすいです。
具体的な伝え方は、別記事の産業医面談で聞かれることでまとめています。
もちろん、診察時間は限られていて本音を全部出しきれない日もありました。

私の場合、診察前に話したいことを箇条書きでメモする習慣で乗り切りましたが、第三者にじっくり整理を手伝ってもらう手段として、公認心理師(国家資格)のみが在籍する 国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】 のような選択肢もあります。![]()
2. 傷病手当金を「休職と同時」に申請した
傷病手当金は、申請から入金まで1〜2ヶ月かかります。
そのため、休職開始と同時に申請準備を進めるのが安心です。
私の場合、3ヶ月目にようやく初回入金があり、その間は貯金で凌ぎました。
もちろん、申請書には医師の記入欄もあります。
したがって、通院のたびに記入を依頼する段取りが必要です。

受給条件や金額の目安は休職中の給料と傷病手当金の受給条件を、計算方法は傷病手当金の計算方法を、申請書の書き方は傷病手当金 申請書の書き方をそれぞれ参考にしてください。
なお、制度の公式情報は全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイトで必ず最新版を確認してください。
3. 仕事関連の通知をすべてオフにした
休職してもSlackやメールが鳴ると、心拍が上がります。
そこで、私は会社スマホの電源を切り、見えない場所にしまいました。
結果として、通知への過剰反応が3日でほぼ消えました。
もちろん、緊急連絡は会社の代表番号経由で受ければ十分です。

4. 起床時間だけは固定した
休職中は昼夜逆転しがちです。
しかし、生活リズムが崩れると復職時に苦しみます。
そこで、私は「起床時間だけ」を朝5〜6時に固定しました。
就寝時間は気にしません。
たとえば、夜眠れなくても朝のカーテンを開ければOKと割り切ります。
具体的な過ごし方は休職中の過ごし方にまとめました。

5. 復職を「考えない」期間を作った
私の場合、最初の1ヶ月は復職のことを一切考えませんでした。
意識的に「考えない時間」を作ったのです。
なぜなら、考えるたびに不安と自己否定が強まるからです。
結果として、2〜3ヶ月目から自然に「そろそろ動こうか」と思えるようになりました。
うつ病による休職全体の体験談はうつ病で休職した30代の体験談で詳しく書いています。

休職中の過ごし方|整えるべき2つの土台
ここからは、休職中の過ごし方の「土台」を2つ紹介します。
復職や転職の選択肢を広げるためです。
生活リズム:起床・食事・散歩の3点固定
復職判断で見られるのは「日中の活動量」です。
そのため、起床・食事・散歩の3点だけ固定すれば十分です。
私の場合、休職2週間後くらいから「1日30分の散歩」を始めました。
結果として、産業医面談でも「回復期に入った」と判断されました。

お金:傷病手当金だけで生活費は補填できた
休職中のお金は、傷病手当金で給与の約3分の2が補填されます。
私の場合、特別な節約はしませんでした。
それでも、傷病手当金とコツコツと貯めていた生活防衛資金で生活費は十分に凌げました。
もちろん、固定費が大きい方は格安SIM切替などの見直し余地があります。
※支給率や金額は加入保険・標準報酬月額により異なります。詳細は傷病手当金の計算方法で個別シミュレーションしてください。

💬 貯金でカバーしきれないと感じたときは
私は生活防衛資金があったので不足分を貯金で埋めましたが、この方法は貯金額に左右されます。収入が約3分の2の状態が続くと、固定費のなかで保険料の比重が大きくなることがあります。自分では判断しづらい部分なので、無料で相談できるサービスを使う選択肢もあります。
※PR|上記リンクは広告です。私自身は利用していません。
復職に向けた準備
復職は「いきなり戻る」と再発リスクが高いと言われています。
そこで、復職前に何をすべきかを産業医と会話していくことが重要です。
準備その1:復職前に何をすべきか産業医と話す
復職をそろそろ目指してもいいかもと思い始めてから、産業医面談の準備を始めています。
具体的には、回復状況を時系列でメモしておくと面談がスムーズです。
産業医制度の概要は厚生労働省公式サイトの労働安全衛生関連ページが参考になります。
準備その2:通勤リハーサルと業務シミュレーション
通勤を想定した活動も行なっていきます。会社近くまで通勤を試しています。
私の場合、電車に乗ること自体は問題なく、動悸もありませんでした。
ただし、平日朝のラッシュ感覚を取り戻すため、通勤ルートは実際にたどっておきました。
復職直前のチェックリストは復職前にやっておく3つのことを活用してください。
また、5月病など季節性の体調変化を懸念する方には30代の5月病対策・ペース調整法も併せて参考になるはずです。
業務シミュレーションにおいてはこのブログ活動である程度仕上がりつつあると考えています。
今週はどんな記事を書こうか、記事公開後の変化はあったか、何か改善が必要かなどを自発的に実施しています。

いま「休職しなければよかった」と感じているときの相談先
ここまで私の体験を書いてきましたが、いま実際にしんどい状態にある場合は、記事を読み続けるより人に話したほうが早いことがあります。
公的な窓口として、厚生労働省の委託事業こころの耳に、働く人向けの相談窓口があります。会社を通さずに、無料で利用できます。
- 働く人の「こころの耳電話相談」:0120-565-455(フリーダイヤル)/月〜金 17:00〜22:00、土日 10:00〜16:00(祝日・年末年始を除く)
- 働く人の「こころの耳メール相談」/働く人の「こころの耳SNS相談」:電話が苦手な場合はこちら
あわせて、休職の可否も復職の時期も、判断の前提になるのは主治医の診断です。体調の変化は自己判断で処理せず、必ず主治医に共有してください。産業医面談で何を聞かれるかを先に知っておきたい場合は産業医面談で聞かれることを参考にしてください。
※本記事は個人の体験と公開情報の整理であり、診断・治療の助言ではありません。窓口の受付時間は2026年9月時点の公開情報です。
よくある質問
まずは治療に専念し、しっかり休むことが最優先です。あわせて、収入の不安を消すために傷病手当金を休職と同時に申請しておくと安心です。生活リズム(起床・食事・散歩)は軽く整える程度に留め、無理はしないでください。
私の場合は「焦って早期復職を考えた」「会社の状況を気にしすぎた」の2つでした。いずれも回復を妨げやすい行動なので、焦らず主治医のペースに合わせることをおすすめします。
症状や職場環境によって大きく異なり、期間は主治医の判断によります。傷病手当金は条件を満たせば最大1年6か月支給されるため、金額の目安は計算方法の記事で確認できます。
退職・転職などの大きな決断を焦って下すことは避けたほうが安全です。判断力が落ちている時期なので、重要な決定は体調が回復してからにしましょう。
厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、職場復帰は第1〜第5ステップとして手順が示されており、復職後のフォローアップまで含まれています。復職の道筋は制度として用意されています。ただし実際の運用は会社ごとに異なるため、自社の就業規則と産業医への確認が前提になります。
同じ手引きでは「まずは元の職場への復帰」を原則としています。新しい環境への適応が再発につながる可能性があるためと説明されています。ただしこれは原則であり、異動などが発症のきっかけになった場合は元の職場でないほうがよいことも明記されています。
私の場合は「傷病手当金がいくら・いつから入るかを先に調べたこと」が最大の理由でした。金額の見通しが立っていると、判断の重さがかなり変わります。あわせて復職の手順を制度として知っておくと、休職中の不安の形が変わります。
まとめ:「休職しなければよかった」と思わずに済むかは、決める前で決まる
本記事では「休職しなければよかった」と思ったことがあるかを、うつ病で休職し復職した立場から書きました。私の答えはありません、でした。
後悔せずに済んだ理由は、休職を決める前にそろっていた次の2点でした。
- 本音で医師に話し、十分な休職期間を確保する
- 傷病手当金を即申請し、お金の不安を消す

そして「休職したら終わり」ではなく、復職には第1〜第5ステップという決まった段取りがあります。あとは、生活リズムを整えながら回復を待つだけです。
焦らず、自分のペースで進めてください。
この記事が、「休職しなければよかった」と検索した方の不安を少しでも和らげる助けになれば幸いです。
あわせて読む
少し気持ちが落ち着いてきたら、近場で完全にオフになる時間もおすすめです。私が休職中に行った秩父一人旅の記録はこちら。

休職と同時に申請しておきたい傷病手当金の受給条件と金額目安はこちら。

具体的な金額シミュレーションは計算記事をご覧ください。

申請書類の書き方・記入例は別記事にまとめました。

復職フェーズで「リワーク利用するか」を判断する段階に進んだ方は、私が利用しないと判断した理由もご参照ください。

休職中のお金の流れを先に確認する

休職中のお金が不安なときは
休職初期は“お金”の不安が重なりがちです。傷病手当金の受給条件から申請までを実務キットつきでまとめたガイドもあります。落ち着いたときに目を通してみてください。

出典・参考
※本記事に記載した制度・金額・費用は2026年9月時点の公開情報および筆者自身の体験にもとづいています。制度や料金は改定される場合があるため、実際の手続きの際は上記の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

