「傷病手当金っていくらもらえるんだろう?」「どうやって計算されるんだろう?」
——休職が決まった瞬間、誰もが最初に頭に浮かべる疑問です。
私も休職を検討していた時に初めて傷病手当金の存在を知りました。
しかし、最初は計算方法がわからず生活が続けられるのか不安になりました。
傷病手当金の計算について、休職経験者の実体験ベースも含めてお伝えします。
おそらく同じ境遇の方もいるかもしれませんので何かのヒントになれば嬉しいです。
この記事では、傷病手当金の計算方法や実際の手取り額などを解説します。
また、簡易的な計算ツールもありますので、実態に即した概算金額を把握できると思います。
結論から言えば、傷病手当金の支給額は「標準報酬月額 ÷ 30 × 2/3」で算出され、給与の約3分の2が支給されます。ただし休職中も社会保険料・住民税の支払いは続くため、実質の手取りは給与の50〜60%程度になることが多いです。この記事では月収別の実額と手取り目安を一覧でお伝えします。

傷病手当金 計算式|給与の約3分の2が支給される仕組み
この計算式は健康保険法によって定められており、全国一律で適用されます。
傷病手当金(1日あたり) = 支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
つまり、給与の約3分の2が支給されます。
傷病手当金の計算 月収別シミュレーション|20万〜50万円の早見表
実際にいくらもらえるか、月収別で試算しました。1日あたりの支給額と月額(30日)の両方を掲載しています。

| 月収(標準報酬月額) | 1日あたりの支給額(目安) | 1ヶ月(30日)の支給合計 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約4,447円 | 約133,200円 |
| 30万円 | 約6,667円 | 約199,800円 |
| 40万円 | 約8,880円 | 約266,400円 |
| 50万円 | 約11,111円 | 約333,300円 |
| 60万円 | 約13,333円 | 約399,900円 |
- 端数処理について:実際の支給日額は1円未満を四捨五入するため、数円程度の誤差が生じる場合があります。
- 「標準報酬月額」とは:手取り額ではなく、基本給に残業代・通勤手当などを含めた総支給額をもとに算出された金額です。
- また、健康保険組合によっては特別付加金として上乗せされるケースもあります。気になる方は会社の人事に確認してください。
傷病手当金計算ツール|オンライン試算と手動計算の選び方
「計算方法は理解したが、実際のところ自分はどのくらい給付されるのか?」
そんな疑問を持たれた方向けに、傷病手当金計算ツールを用意しました。
自分の標準報酬月額を入力するだけで、おおよその支給額を瞬時に試算できます。
実際、手元に給与明細を用意して試してみましょう。
🧮 傷病手当金 計算ツール(簡易シミュレーター)
標準報酬月額と支給日数を入力すると、支給額の目安を計算します。入力データは送信されず、すべてあなたの端末内で処理されます。
基本給+残業代+通勤手当などを含めた総支給ベースの金額
通常は30日(1ヶ月分)。最大547日(通算1年6ヶ月)まで
📊 傷病手当金 計算結果
⚠️ 本ツールは概算です。標準報酬月額の上限(協会けんぽは139万円)や、健保組合独自の付加給付・所得水準による住民税変動などは反映していません。正確な金額は加入する健康保険組合にご確認ください。
電卓で自分でできる傷病手当金 計算の3ステップ
ツールが使えない環境でも、電卓1つで傷病手当金の計算はできます。手順は次の3ステップです。
- 標準報酬月額を確認する(給与明細・健康保険証または会社の人事に確認)
- 30で割る(1日あたりの平均額を算出)
- 2/3を掛ける(実際に支給される1日あたり金額)
例: 標準報酬月額30万円なら「30万円 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円/日」となります。これに支給日数を掛ければ月額が求められます。
また、協会けんぽ公式サイトのほか、社労士事務所や保険会社が提供する無料の計算ツールが複数あります。
複数のツールで計算し、だいたいの給与額相場を把握しておくことをお勧めします。
傷病手当金の手取り計算|額面と手取りの違いを徹底解説
傷病手当金は非課税(所得税・住民税がかからない)の扱いになります。
ただし、休職中も健康保険料・厚生年金保険料・住民税は引き続き支払う必要があります。
そのため、傷病手当金の金額と照らし合わせて、収支を事前に把握しておきましょう。
| 項目 | 支払いの要否 | 備考 |
|---|---|---|
| 所得税 | 不要(0円) | 傷病手当金は非課税所得のため |
| 住民税 | 必要 | 前年の所得に対して課税されるため休職中も継続 |
| 健康保険料・厚生年金 | 必要 | 在籍中は会社と折半。全額自己負担ではない |
| 家賃・生活費 | 必要 | 当然ながら継続して発生 |
これらを差し引くと、実質の手取りベースでは給与の50〜60%程度になることが多いです。
もちろん、給与と比べると減ります。
しかし「ゼロにはならない」という安心感は想像以上に大きかったです。
月収別の傷病手当金 計算 手取り早見表
月収別の傷病手当金 計算結果から、社会保険料・住民税を引いた手取り目安は次のとおりです(住民税は前年所得により変動)。
| 月収 | 傷病手当金(額面) | 差引額目安 | 手取り目安 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約133,320円 | 約3〜4万円 | 約9.6〜10.4万円 |
| 30万円 | 約200,010円 | 約4〜6万円 | 約14.4〜15.6万円 |
| 40万円 | 約266,670円 | 約6〜8万円 | 約19.1〜20.8万円 |
| 50万円 | 約333,330円 | 約7〜9万円 | 約23.9〜26.0万円 |
差引額には健康保険料・厚生年金保険料・住民税が含まれます。
実際の手取りは加入する健康保険組合や前年の所得により上下します。
手取り額が想定より少ない場合は、不足分を固定費削減でカバーする方法も検討してみてください。
体験談|私の傷病手当金の支給を受けて
実際に受給してみて正直に感じるのは、「手取りの感覚はやはり少ない」ということです。給与の約3分の2とはいえ、そこから社会保険料などが引かれるため、私は生活防衛資金を少しずつ切り崩しながら暮らしています。事前にある程度の生活防衛資金と余裕資金を備えていたおかげで落ち着いて療養できているので、休職前の「お金の備え」の大切さを身をもって感じています。なお入金のタイミングは、私の場合は初月が申請の翌月でした。
私が休職した際、傷病手当金として標準報酬月額の約3分の2に加えて組合の付加金を受け取りました。
傷病手当金の総額から社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が天引きされました。
補足すると、天引きについては休職する際の資料に一筆記載があり、合意を取る形でした。
また、住民税は特別徴収(給与天引き)から普通徴収に切り替わり、自宅に納付書が届きました。
そして残った支給額で住宅ローンや生活費を支払い、足りない分は生活防衛資金を切りくずして生活しています。
申請手続きの流れ
なお、傷病手当金は自動的に支給されるものではありません。
毎月の申請が必要であり、主な流れは以下のとおりです。
- 医師に「労務不能」と診断してもらう
- 会社の総務・人事に休職の届け出をする
- 健康保険組合から申請書を入手する
- 医師・会社・本人の3者が記入して提出する
休職初期は、疲弊して何もする気も起きない状態の方が多いため、申請の流れを把握して進行していくのが大変だと思われます。
申請書の書き方・記入例については傷病手当金の申請書類の書き方|記入例つきで解説で詳しく説明しています。
まとめ|傷病手当金の支給は「給与の約3分の2」、そこから天引き
- 計算式:標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3(1日あたり)
- 傷病手当金自体は非課税(所得税かからず)
- 社会保険料や住民税の支払いは継続(天引きorコンビニ払い)
- 実質の手取りは給与の50〜60%程度になることが多い
傷病手当金がいくらもらえるか把握できれば、休職中の生活設計が立てやすくなります。
まずは、ご自身の月収で傷病手当金をシミュレーションしてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、個別の受給額を保証するものではありません。正確な金額は加入している健康保険組合にご確認ください。
傷病手当金の計算に関するよくある質問(FAQ)
はい、傷病手当金の支給日数には土日・祝日も含まれます。月額換算では30日分(または該当月の暦日数)で計算するため、土日に関係なく1日あたりの支給額が積算されていきます。ただし、待期期間の3日間にも土日が含まれます。たとえば金曜日に休み始めた場合、金・土・日で待期完了となり、月曜日から支給開始になります。
傷病手当金の基礎となる「標準報酬月額」には、原則として賞与・ボーナスは含まれません。標準報酬月額は、毎月の固定的な給与(基本給+残業代+通勤手当など)をもとに算出されます。一方、賞与は別途「標準賞与額」として社会保険料の計算対象になりますが、傷病手当金の日額には反映されません。
はい、受給可能です。ただし傷病手当金の計算方法が通常と異なります。支給開始日以前の勤務期間が12ヶ月に満たない場合は、以下のいずれか低い方が標準報酬月額として採用されます。①支給開始日が属する月の前月までの被保険者期間における標準報酬月額の平均、②前年度9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均(協会けんぽは約30万円)。これにより、入社直後で月収が高い人でも一定額に抑えられる仕組みになっています。
基本的な傷病手当金の計算式は健康保険法で全国一律に定められているため、協会けんぽも健康保険組合も同じです。ただし、一部の健康保険組合では独自の「付加給付」として、通常の傷病手当金に上乗せ給付があるケースもあります。大企業の健保組合では、給与の80〜100%が補填される手厚い制度を持つ場合もあるため、所属する健保組合の規定を確認してみてください。
はい、計算の基礎となる標準報酬月額には通勤手当も含まれます。基本給だけでなく、固定的に支給される手当(通勤・住宅・家族手当など)も合算した金額で算出されます。
参考にした公式情報
あわせて読む
傷病手当金の申請書類の書き方はこちら。

申請から振込まで実際に何日かかったか、私の50日タイムラインはこちらで公開しています。



休職中の過ごし方については、うつ病経験者の実体験をまとめたこちらの記事もあわせてご覧ください。

手取りが想定より少なかったときは、固定費の見直しで不足分をカバーする方法もあります。

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