休職中の過ごし方について、体験をもとに正直にお伝えします。
「休職中、何をすればいいんだろう」
——私が適応障害で休職した最初の1週間、毎日そう思っていました。
何もしないことへの罪悪感と、何かしなければという焦りが交互に押し寄せる。
あの感覚は今でも覚えています。
この記事では、実際に休職を経験した私が「やってよかったこと」「やらなくてよかったこと」を正直にまとめます。あわせて、途中から必ずやってくる「暇すぎる」という時期に何をしていたかも書きます。
※この記事は個人の体験談です。回復のペースには個人差があります。主治医の指示を最優先にしてください。
休職初期(1〜2週間)の過ごし方:何もしないことが正解だった

休職したばかりの時期は、「何かしなければ」という焦りが最も強い時期です。
しかしこの時期は、何もしないこと自体が治療だと私は感じています。
医師から最初に言われたのは「まず眠れるようになることが最優先」でした。
睡眠が整わないと、どんな回復プログラムも機能しません。
起きたいときに起き、眠たいときに寝る。
罪悪感を持たずに過ごすことが、最初の1〜2週間のテーマです。
休職中期(1ヶ月〜):少しずつ「やること」を増やす

睡眠が安定してきたら、少しずつ活動量を増やします。
私が実際にやってよかったことをリストにしました。
① 毎日同じ時間に起きる
生活リズムを整えることが回復の土台です。完璧でなくていい。
「毎朝8時には起きる」という1つのルールだけ守るだけで、1週間後には体が変わってきます。
② 10分だけ外を歩く

太陽の光を浴びることがセロトニン分泌を促します。
「運動しなければ」とハードルを上げる必要はありません。
コンビニまで往復するだけでいい。
私の場合、この10分の散歩が最も回復に効いたと感じています。
③ 食事を3回食べる

休職中は食欲が落ちやすいです。
食べたくなくても、何かを口に入れることを意識する。
コンビニのおにぎり1個でも構いません。
栄養の質より「食事という行為を続ける」ことが大切です。
④ 傷病手当金の手続きを進める

経済的な不安は精神的な回復を妨げます。
「お金の見通し」が立つと、安心して休めます。
傷病手当金は給与の約2/3が最大1年6ヶ月支給されます。
詳しくは傷病手当金はいくらもらえる?計算方法と月収別の目安で確認してください。
受給の条件や、住民税・社会保険料を引いたあとに手元へ残る額の目安は休職中の給料は無給?手取りが何割になるかにまとめています。
⑤ 好きなことを1つだけやる

罪悪感なく楽しめることを1つ見つけてください。
読書・映画・ゲーム・料理——なんでもいい。
「楽しい」と感じる瞬間を1日に1回作ることが、回復のペースを早めます。
休職中が「暇すぎる」と感じたとき、私は何をしていたか
休職の過ごし方を調べていると、途中から検索する言葉が変わってきます。最初は「何をすればいいか」ですが、しばらくすると「暇すぎる」になります。
先に書いておくと、暇だと感じ始めたこと自体は悪い変化ではありません。私の場合はむしろ逆でした。
初期の「暇」と、中期の「暇」は別物だった
休職して最初の1〜2週間、私は暇だと感じる余裕すらありませんでした。眠って、起きて、また眠る。時間が余っているという感覚がそもそもなかったです。
「暇だ」と思えるようになったのは、睡眠が戻って、生活のリズムがある程度ついてからでした。順番としては回復が先で、暇はそのあとに来ます。
なので、いま暇を持て余しているなら、それは初期の山を越えた合図かもしれません。焦って埋めにいく前に、まず1つ確認してほしいことがあります。
「暇がつらい」のか「何もしていない自分がつらい」のか
この2つは、対処がまったく違います。
- 時間が余っていてつらいなら、埋める内容は何でもいい。散歩でも動画でもいい
- 何もしていない自分がつらいなら、何を足しても足りません。埋めても翌日また同じ気持ちになります
私は後者でした。会社の人は働いているのに自分だけ止まっている、という感覚です。この後ろめたさについては休職中の「何もできない罪悪感」がつらいときにで別に書いています。
私はブログを始めた。ただし順番を間違えないこと
結果として、私はこのブログを休職中に始めました。休職の記録を書き残す場所として始めて、いまも続いています。
ただ、これを「休職中にやるべきこと」として勧めるつもりはありません。始めたのは、生活リズムが戻ったあとです。初期にこれをやろうとしていたら、たぶん続いていません。
大事なのは中身より順番でした。睡眠 → 生活リズム → そのあとに手を動かす、の順です。逆にすると、休むための時間が「うまくやれていない時間」に変わってしまいます。
なお、私の場合は書いたものが復職前の業務シミュレーションも兼ねる形になりましたが、これは後から結果的にそうなっただけです。最初からそこを狙って始めたわけではありません。
埋めなくていい時間もある
1日のうち何時間かは、何も予定がないままにしていました。予定で埋めきると、こなせなかった日にそのまま自己評価が下がるからです。
「今日は何もしなかった」と「今日は予定を消化できなかった」は、同じ1日でも残るものが違います。前者で済むようにしておくほうが、翌日が軽くなりました。
休職中にやってはいけないことは?私が避けた5つ
「休職中にやってはいけないこと」で調べると、就業規則やSNSの話が並びます。ここでは制度の禁止事項ではなく、私が実際にやってみて「これは要らなかった」と感じたことを5つ書きます。
① 復職のことを考えすぎる
「いつ戻れるか」「戻ったら何をするか」を考えるのは回復の妨げになります。
主治医や産業医に委ねて、今日1日に集中することが大切です。
② 「何か有意義なことをしなければ」と焦る
資格の勉強・副業・自己啓発
——このあたりに手を出したくなるのは、たいてい「休んでいる自分」に耐えられなくなったときでした。
休職は「休む」ための制度です。生産性を求めるのは回復してからで十分です。
③ 会社の状況を追いかける
私の会社からは休職中の接触禁止通達が出ていましたが、それでも「今ごろ誰が引き継いでいるのか」と考え続けてしまいました。休職しているのに、頭のほうは仕事から離れていませんでした。
意志では止まらなかったので、最終的に会社スマホの電源を切って見えない場所にしまいました。気にしないと決めるのではなく、見られない状態を作るほうが早かったです。
④ 大きな決断をその場でする
退職・転職・引っ越しのような、戻すのが難しい決断です。休職中は判断の材料も気力も平常時と違うので、私は「決めない」ことにしていました。
実際、休職中に転職活動はしていません。中期以降に考えられるようになってからで間に合いました。
⑤ 回復のペースを他人と比べる
体験談を読むほど「自分は遅いのでは」と思いやすくなります。ただ、休職の理由も職場環境も体質も違うので、日数を並べても意味がありませんでした。
比べるなら他人ではなく、1か月前の自分にしたほうが実際の変化が見えます。この記録のつけ方は復職の生活記録表とは?記入例と2週間の書き方にまとめています。
休職中に遊びに行ってもいい?外出をどう考えたか
過ごし方の話とは別に、多くの人が途中で必ず迷うのがこれです。カフェに行く、友人に会う、遠出をする——どこまでが許されるのか。
ネットには「問題ありません」と書いている記事もありますが、これを決めるのはこの記事ではありません。少なくとも次の3つが関係します。
- 会社の就業規則・服務規律:療養中の過ごし方や連絡方法の定めは会社ごとに違います。確認先は就業規則と、人事・総務など休職の窓口です
- 傷病手当金の受給要件:療養のために働けない状態であることが前提です。詳細は全国健康保険協会(協会けんぽ)など加入先の公式情報で確認してください
- 主治医の指示:外出や遠出をどの段階で勧めるかは、症状と回復の段階によります
そのうえで、私自身がどうしていたかを書きます。
私の場合は「回復に必要かどうか」で考えていた
主治医から言われていたのは、生活リズムを整えることと、日中の活動量を戻していくことでした。散歩を勧められたのもその流れです。
その延長線上にある外出——朝に光を浴びる、人のいる場所に短時間いる、電車に乗ってみる——は、回復のための行動として説明がつくと考えていました。実際、産業医面談でも日中の活動量は確認されています。
私は休職中に一人旅にも行きました。ただしそのとき事前に会社や主治医へ確認したかというと、していません。その判断と、確認できる先については休職中に旅行はしていい?実際に行った私の場合に正直に書いています。
「休職中なのに」という視線について
外出できる=働けるのでは、と受け取られるのではないか。この不安のほうが、実際の外出より重かったです。
ただ、家から一歩も出ないことが回復につながるかというと、少なくとも私の場合は逆でした。判断に迷うときは、自分で結論を出すより主治医に「今どこまで動いていいか」を聞くほうが早いです。面談で聞かれることは産業医面談で聞かれることにまとめています。
休職中の時間の使い方:週のスケジュール例
回復期(休職1ヶ月以降)の参考スケジュールです。
- 平日午前:起床→朝食→10分散歩→好きなことをする
- 平日午後:昼食→昼寝(必要なら)→読書や動画など
- 週1回:通院・カウンセリング
- 週1回:傷病手当金など事務処理
- 週末:普段より少し外出する(カフェ・公園など)
「こうしなければ」と縛られる必要はありません。体調の良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ活動量が増えていくのが正常なプロセスです。
外出や遠出をしていいのかは、過ごし方とは別に迷いやすいところです。私が実際に旅行へ行ったときの判断と、確認できる先は休職中に旅行はしていい?実際に行った私の場合に書いています。
休職中にやっておくと復職後に楽になること
体調が安定してきたら、以下を少しずつ整えておくと復職後のスタートがスムーズになります。
- 傷病手当金・社会保険料の支払い状況を把握する
- 復職後の働き方(勤務時間や業務量の調整など)を主治医と相談しておく
- ストレスの原因を振り返り、言語化しておく
- 「しんどい」と感じたサインのリストを作る(再発防止のため)
休職から復職までのプロセスについては適応障害・うつ病で休職したら最初にやることも参考にしてください。
一人暮らし・お金の不安が重なるときは
ここまでは「回復のための過ごし方」を書いてきましたが、生活の条件が変わると優先順位も変わります。
私は一人暮らしで休職したわけではないので、その状況を体験としては書けません。ただ、変わるポイントははっきりしています。食事と生活リズムを他人に気づいてもらえないこと、そして固定費が減らせないことです。
この条件での具体的な内容は適応障害で休職、お金がない時に最初に見る5つの対策にまとめました。貯金がない場合・一人暮らしの場合に何が変わるかを、公的な制度も含めて整理しています。
この時期は「何もしないこと自体が治療」だと私は感じています。医師から最初に言われたのも「まず眠れるようになることが最優先」でした。起きたいときに起き、眠たいときに寝て、罪悪感を持たずに過ごすことが最初の1〜2週間のテーマです。睡眠が整わないと、どんな回復プログラムも機能しません。
睡眠が安定してきたら、私は次の5つが効果的でした。①毎日同じ時間に起きる②10分だけ外を歩く③食事を3回とる④傷病手当金の手続きを進める⑤好きなことを1つだけやる。とくに10分の散歩が最も回復に効いた実感があります。お金の見通しは傷病手当金の計算記事で立てておくと、安心して休めます。
①復職のことを考えすぎる②「有意義なことをしなければ」と資格勉強や副業で焦る、の2つは避けた方が無難です。休職は「休む」ための制度なので、生産性を求めるのは回復してからで十分です。
「暇=焦り」のサインが出ている時期です。無理に予定を埋めず、10分の散歩や、罪悪感なく楽しめる好きなことを1日1回だけ作るのがおすすめです。体調の良い日と悪い日を繰り返しながら少しずつ活動量が増えるのが正常なプロセスなので、先のことより今日1日に集中してください。
会社の就業規則・服務規律、傷病手当金の受給要件、主治医の指示の3つが関係するため、一律には決められません。私の場合は「回復に必要な行動として説明がつくか」を基準にしていました。散歩や短時間の外出は主治医から勧められていた範囲です。判断に迷うときは主治医に「今どこまで動いていいか」を確認するのが早いです。
制度上の禁止事項は会社の就業規則によります。そのうえで私が「やらなくてよかった」と感じたのは、復職を考えすぎる/有意義なことをしなければと焦る/会社の状況を追いかける/大きな決断をその場でする/回復のペースを他人と比べる、の5つでした。
睡眠が安定してきていれば、起床時間・食事・10分の散歩の3つを習慣にするだけで十分です。私の場合、休職2週間後くらいから1日30分の散歩を始め、産業医面談でも「回復期に入った」と判断されました。予定で1日を埋めきらず、何もしない時間を残しておくことをおすすめします。
まとめ:休職中の過ごし方は「回復を最優先にする」だけでいい

- 初期(1〜2週間):何もしないが正解。睡眠を最優先に
- 中期(1ヶ月〜):起床時間・散歩・食事の3つを習慣化
- やらなくていいこと:焦り・無理な自己投資
- 経済的不安は傷病手当金の手続きで解消する
- 「今日1日」に集中することが最速の回復につながる
休職は失敗でも逃げでもありません。体と心を立て直すための、必要な時間です。
焦らず、今日を生き延びることだけ考えてください。
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休職中期に「少し出かけてみたい」と思えてきたら、近場でしっかり休める一人旅も気分転換になります。私が実際に行った秩父一人旅の記録はこちら。



休職直後に最初にやることはこちらにまとめています。

復職フェーズでリワーク利用を検討するなら、「利用しない」と判断した私の整理もあわせてご覧ください。

復職が怖い・不安と感じるときの向き合い方は、こちらにまとめています。

「休んでいることへの罪悪感」がつらいときは、こちらも。

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休職中のお金の準備をしておきたいときは
「お金の見通し」が立つと、安心して休めます。傷病手当金の受給条件から申請の手順までを、実際に使った書類の流れつきで一本にまとめたガイドもあります。体調が落ち着いたときに、次の一歩の地図として目を通してみてください。

出典・参考
※本記事に記載した制度・金額・費用は2026年9月時点の公開情報および筆者自身の体験にもとづいています。制度や料金は改定される場合があるため、実際の手続きの際は上記の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

