復職して慣らし勤務が始まると、多くの人がここで止まります。
「セーブしていいのか」。
周りは通常どおり働いている。
自分だけ先に帰る。
仕事量も抑えてもらっている。
頭では「いまはそういう期間だ」と分かっていても、割り切れない。
私も復職の話が出た当初は、同じことを考えていました。
この記事では、復職して慣らし勤務をしている私が、どう考えて割り切ったかを書きます。
結論を先に言うと、決め手になったのは気持ちの持ち方ではなく、ひとつの事実でした。
「セーブしていいのか」で止まってしまう
慣らし勤務中の悩みは、体調そのものより周りとの差に集まりがちです。
- 自分だけ先に帰ることに、罪悪感がある
- できるのに、やらないでいるように感じる
- この状態がいつまで続くのか分からず、落ち着かない
厄介なのは、本人が「セーブしていいか」を判断しようとしてしまうところです。
判断しようとすると、根拠が自分の感覚しかありません。
感覚は日によって揺れるので、いつまでも決まりません。
私は「時間内でできることを頑張る」と割り切った
先に、いまの私の立ち位置を書いておきます。
私は「決められた時間の中でできることを頑張る」と割り切っています。
時間を延ばして帳尻を合わせることはしませんし、そのぶん申し訳ないと毎日思っているわけでもありません。
冷たく聞こえるかもしれませんが、これは開き直りではありません。
割り切れる理由が、自分の外側にあったからです。
セーブは、自分の判断だけではなかった
私がセーブしているのは、会社からの指示でもあります。
就業に関する制限がついた状態で復職しているので、働き方は私が一人で決めたものではありません。
「自分の意志で楽をしている」のではなく、「そう働くことになっている」。
この違いは大きいです。
この事実に気づいてから、罪悪感の置き場所が変わりました。
セーブの正当性が、自分の気持ちに依らなくなったからです。
気持ちは揺れますが、決まりごとは揺れません。
もしいま「セーブしていいのか」で止まっているなら、それは自分だけで決める問題なのかを確認してみてください。
産業医面談や上長との話し合いで、すでに何か決まっているかもしれません。
決まっているなら、それに従うのが仕事です。
厚生労働省の「こころの耳」でも、職場復帰は段階的に進め、状態に応じて業務量や時間を調整していくものとして説明されています。
調整は本人の頑張りで消すものではなく、制度として想定されているものです。
いまはまだ「慣らし運転」だと考えている
もうひとつ、私が持っている考え方があります。
いまはまだ慣らし運転の段階だ、というものです。
慣らし運転中に全開で走らせる人はいません。
ゆっくり走ることが目的ではなく、そのあと長く走るために、いまはその走り方をしている。
慣らし勤務も同じだと考えています。
この考え方の利点は、「元に戻すこと」を目標にしなくて済むところです。
休職前と同じ量をこなせたら合格、という基準を持つと、達成するまでずっと不合格になります。
そして休職前の働き方は、そもそも体調を崩した働き方でもあります。
戻すのではなく、これから続けられる形をつくっている最中。
そう考えるほうが、私には現実的でした。
それでも罪悪感が消えないときは
ここまで書いておいてなんですが、考え方を変えれば罪悪感が消える、とは思っていません。
私の場合は「会社の指示でもある」という事実が効きましたが、それでも落ち着かない日はあります。
休職中に「何もできない罪悪感」を経験した方であれば、その延長として出てくることもあると思います。
罪悪感そのものへの向き合い方は、別の記事にまとめています。
👉 休職中の「何もできない罪悪感」がつらいときに|自分を責めない考え方
一人で決めず、伝えて決める
最後に、いちばん大事だと感じていることを書きます。
働き方は、黙っていても整いません。
私は、無理をしないことを第一に置くと決めています。
そのうえで、やりたいこと・向いていると思うことは自分から伝えるようにしました。
結果として、その役割を少しずつ任せてもらえるようになりました。
もちろん、伝えれば必ず通るわけではありません。
通らないこともあると思います。
それでも、伝えていないことは検討すらされません。
体調を崩す前の私は、やりたいことを発信していませんでした。
会社から期待される役割の中で、あらゆる指示や依頼を、ただ受けるだけの状態でした。
それが原因だったと言いたいわけではありません。ただ、いまは伝えるようにしています。
慣らし勤務の中身を自分の希望に近づけたいなら、まず伝えるところからです。
産業医や主治医への伝え方は、別の記事にまとめています。
👉 産業医・主治医に状態を正しく伝える方法|我慢して損しないために
まとめ|復職の慣らし勤務でセーブすることについて
- 私は「決められた時間の中でできることを頑張る」と割り切っている
- 割り切れた理由は気持ちではなく、セーブが会社からの指示でもあるという事実
- 「元に戻す」を目標にしない。慣らし運転は、そのあと長く走るためのもの
「セーブしていいのか」を自分の感覚だけで決めようとすると、答えが出ません。
すでに決まっていることがないかを確認する。
それが、私にとっていちばん効いた手順でした。
出典・参考
※2026年8月時点の情報です。就業上の措置の内容は、会社・健康保険組合・主治医の判断により異なります。
※この記事は休職を経験した個人の体験に基づくものであり、専門的な診断・治療に代わるものではありません。働き方の判断は、必ず主治医・産業医にご相談ください。
