復職が近づくと、「仕事についていけるだろうか」と考えると思います。
私もそうでした。ブランクのぶんだけ業務の勘が鈍っているはずだ、と身構えていました。
ところが実際に戻ってみると、しんどかったのは仕事の中身ではありませんでした。
この記事では、休職から復職した私が、実際にしんどいと感じた3つのことを書きます。
通勤の電車、会議、そしてチャットの情報量です。
どれも復職前には想像していなかったものでした。
「復職後がしんどい」と感じている方に、自分だけではないと思ってもらえたら幸いです。
復職初日は、怖さではなく「そわそわ」だった
まず初日の話からです。
私の場合、初日の感覚は転職したときによく似ていました。
少し緊張はしていましたが、恐怖のような強い感情ではなく、そわそわする、という表現がいちばん近いです。
その日は全員が出社していて、「戻ってきてくれて良かった」という声をもらいました。
私はそれを、特別な歓迎ではなく普通の反応として受け取りました。
身構えていたぶん、拍子抜けしたところもあります。
ここは人によって大きく違う部分だと思います。
私の初日がこうだったというだけで、緊張が強く出る方もいるはずです。
ただ、身構えていたほどではなかったというケースもある、という一例として読んでいただければと思います。
想像していたしんどさは、来なかった
復職前、私が構えていたのは業務内容のことでした。
休んでいたぶん、やり方を忘れているのではないか。
以前と同じ速さで手が動かないのではないか。
そういう心配です。
結論から言うと、そこは思ったほど問題になりませんでした。
手順は少しずつ思い出せましたし、分からないことは聞けば済みました。
代わりに負担になったのが、これから書く3つです。
いずれも仕事そのものが始まる前や、仕事の周辺で起きることでした。
しんどかったこと①:通勤の電車
ひとつ目は通勤です。
これは初日から現在まで、一貫してしんどいです。
慣れるだろうと思っていましたが、正直まだ慣れていません。
休職中は、外出するとしても自分のタイミングで動けました。
混雑した時間に、決まった時刻の電車に乗る、ということをしていませんでした。
その状態から急に元へ戻すので、会社に着いた時点ですでに消耗している日があります。
厄介なのは、これが勤務時間にカウントされない疲れだという点です。
仕事はここから始まるのに、始まる前に一定量を使ってしまう。
復職前は、この部分をまったく計算に入れていませんでした。
しんどかったこと②:会議で「人が分からない」
ふたつ目は会議です。
ただし、内容が難しくてついていけない、という話ではありません。
参加している人が分からないのです。
復職した人が「浦島太郎のようだった」と表現しているのを見かけますが、私の場合、それがいちばん強く出たのが会議でした。
休んでいる間に人の入れ替わりがありました。
名前と顔と、その人がどの立場で発言しているのかが結びつかない。
会話の中身を追いながら、同時に「この人は誰か」を推測することになるので、ついていくのがやっとという状態でした。
業務スキルの問題であれば、思い出せば解決します。
しかし人間関係の地図は、思い出すものではなく新しく作り直すものです。
ここに時間がかかることは、復職前には想像していませんでした。
また、同じ部署の人は、私が長らく休職していたことを知っています。
一方で、部署が違う人や社外の方にとっては「新しくアサインされてきた人」でしかありません。
そのため、他のメンバーと同じトーンで質問や話を振られます。
ブランクがあるので、適切に返せているか不安なまま答えています。
しんどかったこと③:チャットの情報量
みっつ目が、私にとっては一番意外でした。情報の量です。
会社のチャットには、自分の担当と直接は関係のない社内通知や、各種の締切連絡が次々と流れてきます。
ひとつひとつは短いのですが、量がまとまって押し寄せると話が変わります。
自分に関係があるものと、そうでないものを仕分ける。
関係があるものの中で、いつまでに何をするのかを整理する。
この作業自体が大変でした。
休職中は、1日に処理する情報の量が大きく減っていました。
そこから急に戻るので、処理量に体が追いついていないという感覚がありました。
誰かが悪いという話ではなく、単純に量の問題です。
3つに共通していたこと
並べてみて気づいたのは、3つとも「仕事の中身」ではないということです。
- 通勤=移動の負荷
- 会議=人の情報の更新
- チャット=情報の処理量
ブランクが響くのは業務スキルだと思っていましたが、私の場合、実際にこたえたのは移動・人・情報の処理量のほうでした。
これは裏を返せば、復職前の準備を業務の勉強だけに寄せると、想定から漏れるということでもあります。私は漏らしました。
もちろん、何がしんどいかは人によって違います。
通勤が苦にならない方もいるでしょうし、私が挙げていない別のことがつらい方もいると思います。
ここで言いたいのは3つの中身そのものよりも、しんどさは仕事の中身以外からも来るという点です。
しんどさは、我慢せずに伝えていい
ここまで書いてきたことは、どれも言わなければ誰にも見えません。
電車がつらい、会議で人が分からない、通知を捌ききれない。
どれも見た目には現れませんし、業務は一応こなせてしまいます。
だからこそ、自分から言わない限り、そのまま積み上がっていきます。
厚生労働省の「こころの耳」でも、職場復帰後は状態に応じて働き方を調整していくことの重要性が示されています。
調整してもらうには、まず状態が伝わっている必要があります。
産業医や主治医にどう伝えればいいかは、別の記事にまとめています。
👉 産業医・主治医に状態を正しく伝える方法|我慢して損しないために
また、しんどさを言葉にしづらいときは、記録が助けになります。
私は復職前から生活記録表をつけていましたが、「なんとなくつらい」を具体的な事実に変えられるのが一番の効用でした。
まとめ|復職後のしんどさは、仕事の中身以外から来た
- 初日は怖さではなく「そわそわ」だった。身構えていたほどではなかった
- 実際にしんどかったのは通勤の電車・会議で人が分からないこと・チャットの情報量の3つ
- 3つとも仕事の中身ではなく、移動・人・情報の処理量だった
復職前にできることがあるとすれば、業務の勉強だけでなく、この3つを想定に入れておくことだと思います。
想定していれば、しんどくなったときに「思っていたのと違う」ではなく「これか」と受け止められます。
そして繰り返しになりますが、しんどさは伝えなければ見えません。
一人で抱えず、産業医や主治医に相談してください。
出典・参考
※2026年8月時点の情報です。
※この記事は休職を経験した個人の体験に基づくものであり、専門的な診断・治療に代わるものではありません。体調や働き方の判断は、必ず主治医・産業医にご相談ください。

