復職が怖いと感じるのは、あなただけではありません
復職の話が出はじめると、ほっとするどころか、かえって不安が強くなる。
そんな経験はないでしょうか。
私自身、休職から少し回復してきたタイミングで「復職」という言葉を聞くたびに、胸のあたりが重くなりました。
この記事では、私が復職に対して感じた2つの大きな不安と、それにどう向き合ってきたかを、認知行動療法(CBT)の考え方も交えながら整理します。
専門的な治療の解説ではなく、同じ不安を抱える方が「自分だけじゃない」と思えるための、ひとりの当事者の記録です。
復職の不安は、大きく2つに分けられた
私が感じていた不安を振り返ると、性質の違う2つが混ざっていました。分けて考えるだけで、対処の糸口が見えてきます。
ひとつは再発への不安。「また同じように倒れてしまうのではないか」という恐れです。
一度つらい状態を経験すると、回復してもこの不安は簡単には消えません。
もうひとつは現場にスムーズに戻れるかという不安。
仕事の勘が戻るか、ブランクをどう見られるか、人間関係に入っていけるか。
復帰そのものより「戻ったあと」を想像して不安になるタイプです。
この2つは、対処の方向がまったく違います。
再発不安は「心と体のケア」の話、現場復帰の不安は「準備と段取り」の話です。
ごちゃ混ぜにすると「とにかく全部こわい」となってしまうので、私はまず紙に書き出して分けることから始めました。
「また倒れるに違いない」という考えとの距離の取り方
復職不安のなかでも厄介なのが、再発への恐れです。
ここで役に立ったのが、認知行動療法でいう「考え方のクセ」に気づくという視点でした。
うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル(厚生労働省)では、相手の心を読むような勝手な思い込みや決めつけを避け、事実に基づいて考えることの大切さが説明されています。
私の場合、「復帰したらまた同じになるに違いない」と、まだ起きていないことを事実のように受け取っていました。
これは「決めつけ」という考え方のクセです。
気づいてから、私は問い直すようにしました。
「本当にそうなる根拠はある?」「前回と今回で、違う点は何だろう?」。
前回は限界まで我慢して倒れましたが、今回はカウンセラーに相談し、再発防止策を一緒に考えている。
条件はむしろ変わっている。
そう整理すると、「必ずまた倒れる」という考えは、事実ではなく不安が作った予測だと少しずつ思えるようになりました。
大切なのは、不安を無理に消そうとしないことです。
考え方のクセに気づき、事実と予測を分けるだけでも、不安との距離は変わります。
現場復帰の不安には「段取り」で備える
「戻れるか」という不安には、気持ちではなく具体的な準備で応じました。
一気に元の働き方に戻ろうとせず、段階的に計画することが、CBTでも問題解決の基本とされています。
私が実際に取り組んだのは、以下でした。
- 生活リズムを勤務時間に近づけること
- 通勤の予行(実際に同じ時間に家を出てみる)
- 主治医やカウンセラーと「どこまでできそうか」をすり合わせること
AIに状況を打ち込んで考えを整理し、面談前に伝えたいことをまとめる、という壁打ちも続けています。
すべてがうまくいったわけではありません。
ただ「準備できることがある」と分かるだけで、漠然とした不安はずいぶん小さくなりました。
まとめ
- 復職の不安は「再発への不安」と「現場に戻れるかの不安」に分けると対処しやすい
- 「また倒れるに違いない」は決めつけというクセ。事実と予測を分けて距離を取る
- 現場復帰の不安には、生活リズム調整・通勤予行・医師との相談など段取りで備える
復職前の具体的な準備については、産業医面談で聞かれることをまとめた記事も参考にしてください。面談前に伝えたいことを整理する
※この記事は休職を経験した個人の体験に基づくものであり、専門的な診断・治療に代わるものではありません。不安が強いときは、主治医やカウンセラーなど専門家にご相談ください。
